シーズン無得点が6試合続いていたブレイディ・カチャックに、爆発の夜が来た。10月13日のコロンバス戦、第2ピリオドだけで3ゴール。
兄マシューは3ゴールすべてに絡む5アシスト。パンサーズの兄弟コンビが、フローズン・フレンジーの夜にリーグを揺らした。

1.8分03秒、3ゴール

 コロンバスのアウェー、ナションワイド・アリーナ。第2ピリオドの開始時、パンサーズは0-1で追い込まれていた。

 2分27秒、カーソン・スーシーのターンオーバーを拾ったブレイディ・カチャック(背番号8)が同点ゴール。移籍後の初ゴールが、ここで来た。

 3分半後のパワープレー、再びブレイディ。10分30秒、またブレイディ。8分03秒の間に3ゴール連続。ナチュラルハットトリックの達成だ。

 兄マシューはこの3ゴールすべてにアシストを記録。さらにカーター・ヴェラヘイの第2ピリオド第4ゴールにも絡み、ピリオドだけで4アシスト。これはパンサーズ史上初の記録である。マシューの総アシスト数は5。球団タイ記録だった。

項目数字
ブレイディ・カチャック第2ピリオド8分03秒で3ゴール、1アシストの4ポイント。キャリア4度目のハットトリック
マシュー・カチャック5アシスト(球団タイ記録)、3ゴールすべてにアシスト、6試合連続ポイント
歴代的位置づけ兄弟がハットトリックの全3ゴールに絡んだのはNHL史上9人目。パンサーズ史上8人目のナチュラルハットトリック
チーム7-3勝利、2連敗を脱出(3勝2敗2分)

 第2ピリオドだけでパンサーズは4ゴール。1-0の劣勢から一気に4-1と逆転した。

▶ ハットトリック公式映像(NHL公式)

見る場所:2点目と3点目がパワープレーから。兄のパスを弟が仕留める構図が3回連続で繰り返される点。狙い通りの連係が機能した形だ。

パンサーズ公式の獲得祝い投稿。「HATS OFF TO BRADY」と帽子上げの写真つき。

2.「チャンスは作っていた」

 この試合の前、ブレイディはチーム内で2番目に多い20の得点機会を作っていた。

リーグ全体でも、無得点選手の中ではトップクラスの数字だった。

 マシューはテレビのインタビューでこう語った。

「最初の7試合で、チームで最もチャンスを作っていたのはブレイディだった。ただ、入っていなかった。だから入った姿を見られて良かった」

 ブレイディ自身も認めている。

「個人的に望んでいたスタートではなかった。ただ、粘り続けるだけだった」

 パウル・モーリス監督は兄弟の連係をこう評価した。

「彼のプレーは気に入っている。兄弟は生まれてからずっと一緒にプレーしてきた。そこには何かがある(ケミストリー)」

開幕から5試合、SNSでは「0ポイント」と書かれていた

 無得点が続く間、SNSでは皮肉を込めて「0」を数える投稿が相次いだ。

HighSlotHQ(10月11日)。5試合での0ポイントに加え、オタワが獲得した指名権を列挙して「トレードはどうなったのか」と問う投稿。

3.兄弟以外の勝因

 この夜のパンサーズは、兄弟だけではなかった。

 サム・ラインハートが2ゴール1アシスト。

コロンバス戦での連続ポイントは12試合となり、これはフランチャイズ記録だ。ヴェラヘイも2ゴール。

守備の要、セス・ジョーンズが4アシストを記録し、ディフェンスマンの球団タイ記録に並んだ。

 ゴールではアキラ・シュミッドが24セーブ。前夜の試合で先発から交代していたヤコブ・マークストロムに代わり、しっかりと仕事をした。

 コロンバス側は、6失点目の途中でカム・タルボットが交代を余儀なくされた。

しかし、フロリダは主力選手を怪我で欠いている。

主将のアレクサンダー・バーコフは開幕2戦目(10月1日、サンノゼ戦)で左足を負傷。長期故障者リスト(LTIR)入り。

復帰まで6〜8週の見込みとクラブが発表した。

右膝の靭帯損傷で2025-26シーズンを全休し、今季わずか2試合の復帰に留まっていた主将に、またしても長期離脱が襲った。

Instagramでも拡散されたバーコフの負傷シーン。昨季右膝ACL・MCL断裂で全休していた主将に再び「足」という悪夢が襲った瞬間を、174万回以上の再生で伝えている。

左足が崩れて氷上に倒れた直後、グラブを放り投げながらベンチへ引き揚げるバーコフの動画ポスト(10月2日投稿)。

また、カナダ代表のベテラン、ブラッド・マーシャンドも、10月7日のロサンゼルス戦で左足を負傷し、6週間の離脱とモーリス監督が発表している。

キングスのブラント・クラークへのネットドライブ途中、高いスティックを受けて右ポストへ不自然な姿勢で激突。左膝を押さえたまま数分間動けず、トレーナーの介助で氷上を後にした。

TSNのインフォグラフィック。「OUT 6 WEEKS」の文字が離脱期間をひと目で伝える。3週間後にスケーティング再開とのモーリス監督のコメントつき。

ESPNの動画ポスト。介助されてトンネルへ消えるマーシャンド。オフシーズン手術からの復帰2戦目での再負傷という文脈つきで伝えている。

4.Xの反応

 北米側の反応は、ゴール直後から一瞬で拡散した。NHL公式アカウントは大文字の実況ツイートで報じた。

NHL公式。「BRADY TKACHUK HAT TRICK!!!」の実況ポスト。

 試合後、ESPNは会見でのブレイディ本人のコメントを動画つきで切り抜いた。

ESPN。「プレッシャーを感じていた。仕事ができていないと感じたが、来ると知っていた」と語るブレイディの会見コートゥート。

 ファン層の反応はというと、単純な驚きの声が中心だった。

ファンアカウントの「OH MY」ポスト。

まとめ

 8分03秒、3ゴール。待望の瞬間は、兄のパスとともに来た。ブレイディ・カチャックのフロリダでの最初のゴールが、いきなりのハットトリックとなった夜。兄弟の物語は、今季のパンサーズの軸になるはずだ。

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